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「マングローブ」は熱帯や亜熱帯地域の河口など、満潮になると海水が満ちてくる浅瀬(汽水域)に自生している植物の総称です。世界では約100種類程度の植物がマングローブと呼ばれており、日本では、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ニッパヤシなどのマングローブを見ることができます。
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二酸化炭素吸収
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マングローブの二酸化炭素の吸収量は1haあたり年間25~44t-CO2※、といわれており、日本の森林の二酸化炭素吸収量が10~20t-CO2といわれておりますので、約2倍の温室効果ガス削減が見込まれます。
※出典:関西総合環境センター
※出典:関西総合環境センター
海の里山
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マングローブは干潟の性質を持ちつつ樹木が密生し、多くの生物の活動が見られる場所でもあります。泥地に生息することから呼吸根が発達しているのがマングローブの特徴で、その根によって干潟の表面構造が複雑になり、様々な生物の隠れ家となることで多様な生態系が生まれます。このことから、マングローブ林は「海の里山」と呼ばれ、地域漁業が振興されることによって地域住民の生活を豊かにする効果も見込まれます。
緑の防波堤
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防波堤が整備されていない地域でも、マングローブが生息する海岸では、その消波効果によって台風などよる高波での海岸浸食が軽減されます。また、塩害の予防や津波の低減効果も見られることから、「緑の防波堤」とも呼ばれております。
さまざまな効果があるマングローブですが、近年ではエビ養殖池の拡大や燃料(木炭)としての利用のための伐採によって、マングローブ林の減少が問題となっております。
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